インフルエンザ流行の兆しがテレビ新聞などで聞かれます。
手洗いうがい、マスクをしたり、人込みを避けたり、
具合が悪くなれば、早めに病院にかかる等、
対策をしているかと思います。
最近、苫小牧のサクラについても、感染症が流行中なのです。
樹木は動けませんから、マスクをしたり、うがいをする訳にはいきません。
苫小牧に限らず、サクラ類の病気は様々ですが、
サクラこぶ病、サクラてんぐ巣病、サクラ胴枯病、この3つが、
特に重篤な被害を及ぼす病気です。
今日はサクラてんぐ巣病について。

写真、赤丸部分がサクラてんぐ巣病です。
少し様子が違う細かい枝がたくさん、ほうき状に萌芽します。
夏場は葉が付いて分かりづらいのですが、落葉時にははっきり確認できます。
放っておくと、この様な異常な枝が増えます。
胞子が飛んで感染すると考えられていますが、
詳しいメカニズム等は分かっていないそうです。
この異常な枝に付く葉は、健全な葉に比べ、代謝が悪く、樹木が衰弱します。
(葉の裏にある気孔の開きを調整して、蒸散を抑制していること、
気孔の開きが不十分なことによって、二酸化炭素を取込む作用が低下して、
つまりは、光合成が十分に行われない、という悪循環となっている)
治療としては、上記の通り、感染について、
詳しいメカニズムが分かっていないことから、
基本として、発生後の事後対処となります。
対処は非常にシンプルで、
病気にかかった異常な枝を切除し、処分することとなっています。
処分というのは、燃やしてしまうのがベストです。
切り落としたままだと、そこからまた健全な枝にうつるからです。
切除後の断面には、トップジンMペースト等の薬剤を塗布します。
この塗布が非常に重要なポイントです。
人でいえば、擦り傷に絆創膏を貼るようなイメージです。
傷口が早く癒合するようにと、
傷口から腐朽菌が侵入するのを防ぐ目的もあります。
“サクラ切る馬鹿”の言葉は、これを嫌った事から出来た言葉と考えられています。
もう一つ重要なのは、使用する道具で、
ハサミやノコギリは、殺菌消毒すると言うことです。
道具を介して感染するというのも考えられるから、との事です。
病気の発生原因についても良く分かっていないようですが、
風が強く吹き抜ける所、根の通気通水が悪い所に
発生するケースが多いそうです。
地下水位が高く、風が強い苫小牧では、流行する要件が揃っていますね。
三浦造園でもサクラの外科治療等の経験がありますので、
手遅れになる前に、一度相談下さい!