2011年2月18日金曜日

サクラのてんぐ巣病

こんにちは。

インフルエンザ流行の兆しがテレビ新聞などで聞かれます。
手洗いうがい、マスクをしたり、人込みを避けたり、
具合が悪くなれば、早めに病院にかかる等、
対策をしているかと思います。

最近、苫小牧のサクラについても、感染症が流行中なのです。
樹木は動けませんから、マスクをしたり、うがいをする訳にはいきません。

苫小牧に限らず、サクラ類の病気は様々ですが、
サクラこぶ病、サクラてんぐ巣病、サクラ胴枯病、この3つが、
特に重篤な被害を及ぼす病気です。

今日はサクラてんぐ巣病について。




















写真、赤丸部分がサクラてんぐ巣病です。
少し様子が違う細かい枝がたくさん、ほうき状に萌芽します。
夏場は葉が付いて分かりづらいのですが、落葉時にははっきり確認できます。

放っておくと、この様な異常な枝が増えます。
胞子が飛んで感染すると考えられていますが、
詳しいメカニズム等は分かっていないそうです。

この異常な枝に付く葉は、健全な葉に比べ、代謝が悪く、樹木が衰弱します。
(葉の裏にある気孔の開きを調整して、蒸散を抑制していること、
気孔の開きが不十分なことによって、二酸化炭素を取込む作用が低下して、
つまりは、光合成が十分に行われない、という悪循環となっている)

治療としては、上記の通り、感染について、
詳しいメカニズムが分かっていないことから、
基本として、発生後の事後対処となります。

対処は非常にシンプルで、
病気にかかった異常な枝を切除し、処分することとなっています。
処分というのは、燃やしてしまうのがベストです。
切り落としたままだと、そこからまた健全な枝にうつるからです。

切除後の断面には、トップジンMペースト等の薬剤を塗布します。
この塗布が非常に重要なポイントです。
人でいえば、擦り傷に絆創膏を貼るようなイメージです。
傷口が早く癒合するようにと、
傷口から腐朽菌が侵入するのを防ぐ目的もあります。
“サクラ切る馬鹿”の言葉は、これを嫌った事から出来た言葉と考えられています。

もう一つ重要なのは、使用する道具で、
ハサミやノコギリは、殺菌消毒すると言うことです。
道具を介して感染するというのも考えられるから、との事です。

病気の発生原因についても良く分かっていないようですが、
風が強く吹き抜ける所、根の通気通水が悪い所に
発生するケースが多いそうです。
地下水位が高く、風が強い苫小牧では、流行する要件が揃っていますね。


三浦造園でもサクラの外科治療等の経験がありますので、
手遅れになる前に、一度相談下さい!

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