2012年2月6日月曜日

切るノウハウ

こんにちは。

今日は先日お話した「癒合」について、
もう少しお話しようかと思います。

おさらいすると、
剪定などで、樹木内部が露出した場合、
周辺の組織が厚くなって、その切り口を塞ごうとします。
これを癒合と言います。

剪定では、この癒合を妨げないよう、
適切な位置で枝を切除することが重要となります。

写真は、市内のヤチハンノキです。
誰が切ったかは分かりませんが、良くない例です。
















切り残しが長く、ここから腐朽菌が入り、病気に感染したり、
害虫のすみかとなる場合もあります。
(実際、この切り残しの裏には、卵が産み付けられていました。)
見栄えも良くありませんし、
人が通る所では、ケガの元にもなりかねません。

切る位置は、枝と幹の境目にある盛り上がり、
ブランチカラーと呼ばれる部分を残して、その際で切除します。



こんな感じでしょうか。
いずれ癒合が進み、切り口は幹の内部に取り込まれます。

対して、真直ぐ下に切ってしまえば、
幹そのものが損傷すること、切り口の表面積が大きくなること
等から、癒合しづらくなってしまいます。

大枝を切り下ろす時や、
体勢的に難しい所の切り落としなどでは、
(意図的にorやむを得ず)切り残す場合もありますが、
基本として、写真(下)のように枝を落とすのが、
樹木を傷めない切り方と言えます。

樹木を切ることは誰でも出来ますが、
我々造園屋は、樹木を傷めず剪定するノウハウを持っています。

剪定は是非、技術、技能を兼ね備えた造園業者に!








2012年2月1日水曜日

サクラのてんぐ巣病

こんにちは。 

ホームページの解析のお話は先日しましたが、
サクラの病害を検索中に、当ページに辿り着く事が多いようです。
良く調べたら、Googleで「サクラ てんぐ巣病」の画像検索すると、
当ページの画像が4番目に来るようです。

先日、サクラのてんぐ巣病を発見し、撮影しましたので、 写真をアップします。
とても分かりやすい写真かと思います。 

因みに、サクラのてんぐ巣病の対処としては、
病気の兆候がある枝を幹に近い分岐で切除して、焼却処分との事です。
その場に放置すると、伝播し、近隣のサクラに再度発生してしまうようです。 
また、切除した切り口には、腐朽菌等の侵入防止の為、癒合剤を塗布します。

樹木は、切り口等の傷口を自ら治癒する能力を持っています。
切り口周囲が盛り上がり、切り口を巻き込み、
やがて幹(枝)の内部に取込みます。これを癒合と言います。
癒合剤とは、塗布するペースト状の殺菌剤で、
切り口等に雑菌や雨水が入らないように保護する薬剤です。
癒合剤を塗布して保護することによって、傷口の癒合を促進すると言う訳です。

かつては、ペンキやロウなどで代用していましたが、
造園業界では癒合剤を使用するのが一般的です。