2011年10月25日火曜日

イチョウは生きている化石なのか。

こんにちは。

イチョウ第三弾、先日書きかけた、生きている化石の話です。

街路樹や公園等でよく見るイチョウですが、
日本人にとって非常に馴染みの深い樹木の一つと言えます。

しかしながら、生きている化石とは何故でしょうか?

一つは、大昔、恐竜が地球を駆け回っている時代から、
イチョウは同じ形態を留めているからです。
先日お話した通り、イチョウは裸子植物で、
繁殖方法が非常に古典的な植物です。
イチョウの実、つまり銀杏は、
恐竜達の格好の餌となっていたと考えられています。
銀杏は硬い殻に包まれていますので、消化されず、
糞と共に広まったとされています。
凡そ2億年前には存在していたそうで、
恐竜と共に繁栄したと考えられています。


もう一つの理由は、一度絶滅したと考えられていたからです。
江戸時代、ヨーロッパからやって来たケンペルやシーボルトは、
神社や寺にあるイチョウを見て驚いたそうです。
これは、ヨーロッパでは絶滅したものと考えられていた為です。
原産の中国についても、野生種が残っていた訳ではなく、
保存栽培していたものなのだそうです。

イチョウは、現在はどこでも見られる、ありふれた木ですが、
ヒトの手によって、人為的に存えてきた植物なのです。

2011年10月22日土曜日

イチョウの分類について

こんにちは。

今日は、かねてからお話しする予定だった、イチョウについてです。

イチョウは中国原産の落葉高木で、裸子植物の一つです。
樹高は最大25~30m程にもなります。

まず裸子植物とは何でしょう、ということで、
学生の頃、植物には種を作って繁殖する種子植物があって、
それを大別すると、被子植物と裸子植物に分けられます。
胚珠がむき出しのものを裸子植物と呼びます、と習いましたね。

反対に、胚珠が子房に包まれているものを被子植物と言いますが、
これを更に二分すると、発芽時に双葉にて芽が出るものを双子葉類(アサガオ等)
一枚の子葉で芽が出るものを単子葉類(イネやトウモロコシ等)と呼びます。

イチョウもマツやソテツと同様、裸子植物です。

それでは、樹木として分類するとどうなのでしょうか?
まずは落葉樹、常緑樹で言えば、
秋には黄葉して落葉するので、もちろん落葉樹ですね。

広葉樹、針葉樹で言えば如何でしょうか?
葉っぱが広く平たいから広葉樹?針のように尖っていると針葉樹?

イチョウに関しては、実は、非常に分類しづらいものなのだそうです。
一般に、広葉樹は、被子植物-双子葉類のものを言うそうで、
針葉樹とは、裸子植物のうち、針葉樹類に属する樹木を指すようです。

結果的には、イチョウは広葉樹でも針葉樹でもないものの、
裸子植物なので、どちらかと言えば、針葉樹に近い形態を持つ樹木と言えます。

分類の話で既に沢山の文字数ですね。
続きはまた今度です。

2011年10月20日木曜日

生きている化石

こんにちは。
生きている化石と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

シーラカンスや、カブトガニ、オウムガイなど、
動物で言えば、この辺を思い浮かべる人が多いでしょう。

ヒトが栄えるはるか昔から、
その形を留めている生物を生きている化石と呼ぶようです。

さて、植物ではどうでしょうか?

これが以外に身近にある植物が名を挙げるのです。
例えば、南国情緒のある「ソテツ」。
ツクシのようなスギナのような、ギシギシした草、「トクサ」。
庭木で使われる「コウヤマキ」。
そして、かねてからお話しする予定だった「イチョウ」もそうです。

いずれも、馴染みが深い植物なのではないでしょうか。
ありふれた植物なだけに、生きている化石とは意外ですね。

さて、イチョウの話ですが、長くなりそうなので、また次回に。

2011年10月14日金曜日

モミジとカエデの違い

こんにちは。

街路樹や公園の樹木も赤や黄色に色付き、
秋も日々深まる今日この頃です。
今日は、紅葉の代表選手、モミジの話をしようかと思います。

モミジの仲間は、たくさんあります。
ヤマモミジ、オオモミジ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ等々。
葉の先が鋭く尖るもの、切れ込みが浅いもの、
赤く紅葉するもの、黄色に色付くもの(黄葉という)。
種類によって様々です。

モミジの仲間は、一般的に、カエデ科の高木性落葉広葉樹を指します。
しかし、モミジと呼ばれるもの、カエデと呼ばれるものがあって、
同じ仲間なのに、呼び方が混在しています。
さて、モミジとカエデは、どのように区分されているのでしょうか。


モミジの語源は幾つかあり、
揉み出して染めたような、きれいな紅葉という説、
かつて、葉が緑から赤へ変色する事自体をも“もみず”と言い、
紅葉する樹木全体をモミジを呼んだと言う説等があります。

葉の形に着眼した場合、
モミジと付くものはオオモミジ、ヤマモミジとありますが、
これらは、葉の先が鋭く尖るタイプです。
そして、赤く紅葉するタイプです。

一方カエデは、蛙の手が語源で、
葉の形が蛙の手の形に似ているからとの事です。
その通り、葉の形は切れ込みが浅く、比較的丸い形をしています。
葉は黄色く色付きます。
イタヤカエデ、ハウチワカエデがそうです。

植物学上の細かい区分けは別として、
日本人が昔から持つ意識として、このように区別して来たのだと思います。

次回は、紅葉の代表選手の一つ、イチョウについて、紹介しようかと思います。

2011年10月12日水曜日

三浦造園の環境対策

こんにちは。

今日は当社、三浦造園の環境負荷低減への取り組みをご紹介します。
堅苦しい話かもしれませんが、お付き合い頂ければと思います。

まずは、当社は刈払機やチェーンソー、
芝刈機等を使用して植栽の管理をしています。
当然ですが、その機械には小型のエンジンが付いていて、
ガソリン等の燃料で動いています。

刈払機やチェーンソーの多くは、2サイクルエンジンという、
小さくても出力が出やすいエンジンが載せられています。
これは、オイルとガソリンを一定の比率で混合した混合油を燃料とします。
オイルをガソリンとともに燃やすという特性から、排ガスの質が悪いのが難点です。

オイルによりますが、通常、ガソリンとオイルの混合比率は25:1です。
量販店で売っているオイルの多くも25:1です。

当社で使用しているオイルは?というと、
欧州で定評のある、STIHL社のエンジンオイルで、
混合比率が50:1と従来のオイル使用量の半分です。
オイルが排気されない分、煙も窒素酸化物も少ない、環境に対応したものです。

当社では、このエンジンオイルをすべての混合燃料を作る際に使用し、
すべての2サイクルエンジンに給油し、シーズン通して使用していますので、
その環境負荷低減効果は小さくないかと思います。

自動車が好きな方などはピンと来るかもしれません。
そもそも2サイクルエンジンではなく、
排気のきれいな4サイクルや電気の機械を使用すれば?と。
その答えは、4サイクルの機械はまだまだ機種が少なく、
2サイクルが主流だからです。

しかしながら、芝刈機は4サイクルのものもあります。
(実際、当社の乗用式芝刈機は4サイクルです)
刈払機やエンジンブロワーでも4サイクルの機械もあります。
(前述したSTIHL社の4-mixというシリーズの機械で、当社も使用しています)

最後に将来の展望を。
今後、環境対応の機械が数々出てくるのでは?と期待しています。
バッテリーを積んだ電気仕様の刈払機が出てきていますし、
自動車業界の如く、環境対応で機械を選ぶ時代も来るかもしれませんね。

環境負荷低減の取組みはこれだけではありませんので、
機会があればその2、その3とお話できればと思っています。

2011年10月11日火曜日

植物の病気

こんにちは。

朝晩、肌寒くなってきました。
風邪などひいていませんでしょうか?

人は風邪をひいたり病気になりますが、植物はどうでしょうか。

植物の世界にも病気はあります。
灰色カビ病、胴枯病、さび病等々、挙げるときりがないほどです。

灰色カビ病は蔬菜や果樹、バラやツツジ類、様々な植物に発生します。
わかりやすいものでは、イチゴの果実に付く白灰色のカビ、あれです。

胴枯病は樹木の幹に発生するもので、
果樹、サクラ、ナナカマド等々、これも幅広い樹種に発生します。
枝や幹に発生し、それより先端が枯死します。
樹皮が鮫肌状になり、やがて割れます。

さび病も様々な植物に現れますが、芝生にもよく見られます。
症状としては、芝生の葉の表面にさび色の粉がふきます。
触ると手に付く程です。
ちなみに、ビャクシン類のさび病と、
ナシの赤星病は同じ菌が発生させる病気なので、
ビャクシン類とナシ等のバラ科の果樹は近くに植えると、
相互に病気が行き交います。
たとえば、カイヅカイブキとサクランボなどの組合せは、
良くありがちですが、近くに植栽しない方がよいです。

さて、脱線で長くなりましたが、植物の病気には、
糸状菌(カビの類)、バクテリア(細菌の類)、
そしてウィルスによるものと大別できます。

例を挙げた3つの病気はと言うと、
いずれも糸状菌つまり、カビの仲間によるものなのです。
実は、植物の病気の大半はこのカビの仲間による病気です。
凡そ8割がそれと言われています。

病気の対応としては、薬剤なども有効ですが、
一番は、病気にならない体づくり。
人にも同じことが言えますね。