イチョウ第三弾、先日書きかけた、生きている化石の話です。
街路樹や公園等でよく見るイチョウですが、
日本人にとって非常に馴染みの深い樹木の一つと言えます。
しかしながら、生きている化石とは何故でしょうか?
一つは、大昔、恐竜が地球を駆け回っている時代から、
イチョウは同じ形態を留めているからです。
先日お話した通り、イチョウは裸子植物で、
繁殖方法が非常に古典的な植物です。
イチョウの実、つまり銀杏は、
恐竜達の格好の餌となっていたと考えられています。
銀杏は硬い殻に包まれていますので、消化されず、
糞と共に広まったとされています。
凡そ2億年前には存在していたそうで、
恐竜と共に繁栄したと考えられています。
もう一つの理由は、一度絶滅したと考えられていたからです。
江戸時代、ヨーロッパからやって来たケンペルやシーボルトは、
神社や寺にあるイチョウを見て驚いたそうです。
これは、ヨーロッパでは絶滅したものと考えられていた為です。
原産の中国についても、野生種が残っていた訳ではなく、
保存栽培していたものなのだそうです。
イチョウは、現在はどこでも見られる、ありふれた木ですが、
ヒトの手によって、人為的に存えてきた植物なのです。